交換日記。

とおくに住んでる4人が、交換日記を始めました。心はきっと、隣にいる。⋮ かごしま ⇄ こうち ⇄ しが ⇆ みやざき ⋮

湖のそばで。

ひさしぶりに、ここにきた。

 

あんまり風が吹いてなくて、 空にはべたっとした雲が広がってる。

歩くとちょっと汗ばむけれど、 もう夏服は似合わなそうな、そんな日。

 

 

そういえば、あそこ行ってみたいねん。

あの話ってどう進めよっか。

 

ぽつぽつと会話をしながら、湖にそって歩く。

 

釣りをしてる人や、犬と散歩してる人、 どこかをぼーっと眺めてる人。

 

そして、わたしときみがいる。

 

あまりにも、時の流れがゆっくりで、

なんだかちょっと、くすぐったい。

 

 

出会ってもう、もうすぐ2年になるっけ。

 

理解できない言葉がスラスラ出てきたり、

実は甘いものが好きだったり、

めちゃくちゃ人前に立つのが苦手だったり、

お酒を選ぶとき嬉しそうな表情したり、

 

不器用すぎて変われなかったり。

 

 

これまで、こんなに合わないなと思った人はいないと思うけど、

 

なんだかんだ、なんでもできそうなわくわくをくれるのも、この人しかいない。

 

 

いつものように、歩く。

どうでもいいことを、話す。

 

いつもと違うのは、今日のわたしが彼に切り取られることくらいだろうか。

 

 

 

きみにとって、わたしはどう映るのだろう。

 

わたしの目に、きみはどう映るかな。

 

 

慣れない距離に、ちょっぴり緊張して。

思わず目をそらせてしまう。

 

 

ざざーん、ざざっ。

 

変わらないのは、重ためな空と、生温い風と、広く青い湖だった。

 

f:id:kokannikki:20180925223308j:image

 

 photo by zawaken

おさんぽ。

 

通りなれた道を歩く。
いつもは車で通る道。
たわわと実った穂を揺らす秋の風が
ワンピースの裾を撫で くるぶしをくすぐる。


蛙が跳ねる。
たにしがぬっと進む。
焚き火の匂いに誘われて
知らない道を進む。
まっすぐ歩く。
時々曲がる。
雨がまつげに掬われ
瞳は緑にそっと揺れる。

 

f:id:kokannikki:20180925150751j:image

夏とお別れ

 

 

 

今朝、溜まった洗濯物を干し、ふわふわ揺れるタオルを見ていました。

 

 

この部屋の私の定位置からは、普通に過ごしていると空が見えなくて、

下から窓を頑張って覗いても、縦10センチの切り取られた水色しか見えません。

 

 

 

 

 

 

 

9月になりました。

 

 

f:id:kokannikki:20180906113134j:plain

 

 

少し涼しくなってきて、嬉しい私。

昨日、長袖のパジャマをおろしました。

 

 

 

夏は、どうも苦手みたいです。

 

昔は一番好きな季節だったのにな、

今は、暑いのが本当に苦手。

 

 

 

 

でも、ここ2年間の、嫌な自信家だった私と

さよならできた気がする今年の夏は、きっと忘れられない夏。

 

 

 

 

 

 

 

最近髪を切りました。

 

 

高校時代の友達が、美容師をしているので切ってもらいました。

 

 

 

その子の、じっと私の毛先を見る目がとても真剣で、

私までしゃんとする気がして、好き。

 

 

 

サラサラにしてくれたのが嬉しくて、

家に帰ってからは気づいたら髪を触っています。

 

 

 

切り揃った髪を見るととってもいい気分で、

またこれから新しい何かが始まる気がして、嬉しい。

 

 

 

 

 

 

今はただ、早くこの夏とさよならしたい。

 

ひと月後の私へ

 

 

こんばんは、9月30日の私。

 

今、私は8月30日になったばかりの深夜1時

先輩の家で薄暗い光の中 MacBookを開き、

ひと月後の私にこの手紙を書いています。

 

 

 

何かものを書きたいとずっと思っていましたが、

何を書いて良いのかわからなくて、

いつの間にか月日が経ってしまいました。

 

 

 

この手紙を書こうと思ったのは、

10年前の春  小学校に残したタイムカプセルに入っていた、

12歳の私からの手紙を最近読み、感動したからです。

 

 

そして、夜に書きものをすることが好きだからです。

 

 

 

 

 

f:id:kokannikki:20180830015018j:plain

 

 

 

 

 

私は今東京にいて、秋からの生活に向けて支度をしています。

 

 

 

 

 

 

 

この夏、私はとても苦しい日々を過ごしていました。

 

 

見えない力や、今までできていたことができないことの苦しさと戦いました。

 

もはや、戦ってすらいなかったのかもしれません。

 

夜の時間、SNS、見えない誰か、自分の感情。

いろんなものと折り合いをつけることが難しかったです。

 

 

 

 

“今”の私は少し落ち込み気味なだけです。

 

人生の中で、こんな時期があっても良いと思っています。

 

 

 

 

このふた月を乗り越えた私を褒めよう。

 

 

 

 

 

 

 


この期間を乗り越えられた大きなひとつの理由として、

大好きな人たちと美味しいごはんを食べる機会がたくさんあったことがあります。

 

 

 

1人でいるとほぼ鬱状態になってしまっていた私にとって、

大切な人と食卓を囲むことはとても幸せなことでした。

 

 

 

東京に来る少し前、これまで生きてきた中で

一番すぅと身体に馴染む食事をしました。

(この日の食事のお話も、またさせてください。)

 

 

 

私も、美味しくて身体に馴染むごはんを

つくれるようになりたいと思っています。

 

 

 

 

 

 

 


ひと月後の私、調子はどうですか。

 


どこにいて、どんな人と話して何を感じていますか。

何を食べて、どんな音楽を聴いていますか。

 

 

 

最近の私は、ひと月前に比べると元気で、少し料理にハマっています。

 

音楽は、この前ダウンロードした、

私の大好きな星野源さんの新曲をずっと聴いています。

最近は少し癖のある音楽にもハマっていて、

チャットモンチー相対性理論もよく聴きます。

 

 

 

 

 

蕎麦でできた少し強めのお酒を舐めながら書きものをしていると、

あっという間に2時が来ようとしています。

 

もっぱらの日本酒好きの私は、

蒸留酒に慣れるにはもう少し時間がかかりそうです。

 

 

 

 

 

ひと月後の私、調子はどうですか。

 

 

 

 

 

 

甘いの

 

f:id:kokannikki:20180829230105j:image


角砂糖をひとつ。

 


ほろほろ解けて

 


ふわふわ溶ける。

 


角砂糖をもひとつ。

 


甘くしないと、飲めないの。

 


ミルクもないと、だめなの。

 


苦いのより、甘いのがいい。

 


ビビットより、パステルがいい。

 


穏やかでいたい。

 


可愛くいたい。

 


優しくありたい。

 

 

女の子がいい。

 


いつだってウラハラだけど

 


お願いよ、お願いなの。

 


甘いのがいいの。

 

瞳が夜に溶け、星を見上げる。

 


溶けたアイスクリーム。

 


月明かりと影。

 


波の音。

 


秘密をそっと、耳打ち。

 


砂のひんやり。

 


掬いきれない髪。

 


腕の温度。

 


身体へなだれ込む。

 


青い黒と、白い黒。

 


そっと頬を撫でる。

 


赤い稜線。

 


明日は雨。

 

 

 

 


また、いつものように

 


手を伸ばす。

 


泳いでいったら届きそう。

 


そう思っていた雲は、

 


1~2km上を泳いでいるらしい。

 


遠いのか、近いのか、分からない。

 


また、いつものように

 


折りたたんで、

 


そっと潮風へ委ねる。

 

 

f:id:kokannikki:20180826201553j:image

シュークリームが弾けた

 

べちゃっ、と抉れる音がした。

 

手に持っていたシュークリームを、床に落としてしまったみたい。

 

 

思わず、座って覗き込む。

 

ふわふわのシューには大きな穴があき、

黄色いカスタードが でろんと広がっていく。

 

 

 

「破裂しちゃった、シュークリーム。」

 

ぼそっと独り言を言って、残骸を拾って片付ける。

 

 

とっても美味しそうだったのに、

ふんわりいい香りがしたのに、

あんなにツヤツヤな皮だったのに、

幸福の塊だったのに。

 

それは一瞬で、破裂しちゃう。

本当に、一瞬で変わってしまう。

 

 

ベタベタのクリームとシューを拾いながら、

ふと1日を振り返る。

 

 

シュークリームを食べる前のわたしと、

それを落としたときのわたし。

 

なんだか、今日の「こころ」と一緒だ。

 

 

考えすぎちゃって、ぱあんって弾けちゃったのかも、しれないね。

 

 

ほんとは、すぐにシューを作って、新しいクリームを入れたいところ。

 

でも、シュークリームが弾けちゃって、ちょっと気持ちが沈んじゃった。

ちょっとなんだか、疲れちゃった。

 

 

今日くらいは、でろでろと、クリームをそのままにしてみようか。

 

きっと明日には、おいしいシュークリームができてるはず。

そう思って、眠りにつく。

 

f:id:kokannikki:20180815000545j:plain

シュークリームが、弾けた。