君
ずっと君に会いたかった。
随分遠回りをした。
君がいそうな場所に行って
君を知っていそうな人を尋ねて
私と同じように、君に会いたがっている人と
一緒に探してみたりもした。
どこに行っても
どんなに呼んでも
何をしても
会えなかった。
それは思っていたよりも
悲しかった。
寂しかった。
苦しかった。
でもね、ほら
君はちゃんと私の前に現れた。
ここにいたんだね。
まさかこんなところにいたなんて
びっくりしちゃった。
久しぶりだね、なんて
何事もなかったかのような顔で現れた
”夢”という名の君は
もう絶対ここじゃないでしょ、と思っていたところにいた。
手を繋ぐと、私の心は確かに温かくなった。
うん、君となら きっと大丈夫。
これからよろしくね。
writer あいり