文月の夜に
お元気ですか。
私は今、全然頑張れない毎日を過ごしています。
きっと、気づかなかったけど、長い間頑張りすぎたんだと思います。
私なんかより頑張っている人は沢山いて
今この瞬間も頑張っていて
それを見ると焦ってしまう。
なんで私は頑張れないんだろう、と。
また今日も頑張らなかった、そう思いながら夜に溶け
あの頃のように頑張りたい、そう願って夜をくぐり
ふと気がつくとまた、瞳からじわりじわりと夜に溶け始めている。
少し前までの私は、頑張ってるなんて意識さえもなく、がむしゃらに毎日を走り抜けていた。
楽しかった。
キラキラしていた。
なんでも出来るような気がしていた。
世界中の誰よりも、清々しく青かった。
それが今はどうだろう。
脱ぎ捨てた靴は薄汚れ
お気に入りのワンピースは長い間ハンガーにかかったまま。
どうしたら良いのか分からない。
でも、そんなのいつだって分からなかったはず。
今はただこう願う。
平成最後の文月の夜にさよならを。
真っ白なひと月にさよならを。
writer あいり