交換日記。

とおくに住んでる4人が、交換日記を始めました。心はきっと、隣にいる。⋮ かごしま ⇄ こうち ⇄ しが ⇆ みやざき ⋮

愛を届けた日のこと。

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「一緒にゲームやりませんか?」て言うことって、俺にとっては告白やねん。

 

隣で歩く白いシャツの男性が言う。

 

心地よい風が頬をくすぐり、髪を通り抜ける。

空が青から橙に変わりゆくのを眺めながら、わたしたちは駅に向かって歩いていた。

 

 

彼は、ゲームをする人だ。

 

丸いコマを指で弾いたり、しりとりを考えたり、同じカードを揃えたり。

ゲームは 言葉や世代を越えて、空間をまるっとひとつにする。

 

「ゲームをしませんか?」

そう尋ねることは、同じ空間を共に過ごしませんか?と同じ意味。

本当に相手が好きだったり、もっと一緒にいたいと思えたりするからこそ、この言葉が出てくるのだという。

 

それくらい、一緒に時を過ごしたいと思えること。

そしてそれを伝えようとすること。

想いが通じ合えばいいなと願うこと。

 

まさに、愛の告白だ。

 

 

 

でもそう考えると、シュウカツも愛の告白じゃないだろうか。

 

あなたと一緒に働きたいんです。

あなたと共に過ごしたいんです。

あなたのここがいいなって思ったんです。

あなたとなら、素敵なミライが見えるんです。

 

確かに、その通りかもしれない。

 

 

愛を届けに行くときに、自分をよく見せてみる?

いやいや、そんなの自分じゃない。ほんとの自分を好きになって欲しいんだ。

 

愛を届けるために、いい言葉を並べてうまく言わないといけないの?

そんなことない、自分の言葉で、ありのままに。その方がきっと伝わるよね。

 

愛を届けるって不安じゃない?

そりゃあ不安だよ、当たり前。でも届けたらきっと伝わるよ。言わなきゃ伝わんないんじゃない?やるなら全力で、やれよ。

 

 

溢れる想いに歯止めはかけない、たくさんたっぷり伝えるんだ。

泥臭くてもいい、着飾らなくていい、ありのままのわたしで、わたしができる表現で、あなたに全力で届けるんだ。

 

丸裸で、飛び込んでやれ。

 

 

昨日、黄色の服を着たわたしは、トウキョウのでっかいビルに行ってきた。愛の告白をするために。

 

大好きなバナナのTシャツを着て、この春に買ったばっかりのお気に入りのスニーカーを履いて、いつものわたしで飛び込んだ。

 

 

残念ながら、シュウカツというものには、合格と不合格がある。ひとつの会社で取りたい人には限界があるから。

 

愛は届いても、「ちょっとタイプじゃないかも」とか「他の子の方が魅力的かも」って相手が感じることもあるだろう。

 

 

でもね、そんなこと考えずに、目の前の人にただただ愛を届けたら、めちゃくちゃ幸せになれたんだ。

あんなに幸せだとおもった面接は今までにない。気づいたら泣いてたくらい、わたしは全身でわたしを表現していた。

 

 

トウキョウでの1日はあっという間だった。

泣いて愛を届けるのにエネルギーを使ったからだと思うけど、最後の最後に大好きな人から愛の告白を受けたもんだから頭がパンクして、もう整理がつかなかった。ふう。

(この話は、まだ消化できてないからまた今度。)

 

 

やっとちょっと整理できた、愛を届けるとシュウカツのこと。

やっとちょっと見えてきた、わたしの告白の仕方、わたしの生き方。

 

まだまだ歩いてる途中だけど、まだまだ完璧じゃないけれど、そんな自分も好きだから。

悪戦苦闘しながらもちょっとずつ進めてる自分がいるのを、わたしが一番信じてるから。

 

今日はここに残しておこう。

愛を届けた日のことを、ちょっと整理できたわたしが書いた、今日だから生まれた「中途半端な」日記。

 

 

完璧じゃないと生きれなかったわたしは、できないも見せれるように、なれた。

 

 

只今、教育実習生してます。

 

遠くから、子どもたちの元気な声が聞こえる。

その声が大きくなるにつれて、私の心臓も大きく跳ねる。

 

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鉄棒、靴箱、机、こんなに小さかったっけ。

スーツの裾を引っ張る小学2年生の女の子。

私もこんな風に笑っていたのかな。

 

些細なことで大爆笑する。

気にも留めなかった小さなことを訪ねてくる。

誰の目も気にしない、大胆な行動。

 

大人になっちゃったなあ、なんて思う。

1分1秒くるくる変わる色の中で、

たくさんの気づきと感動が私の中に押し寄せる。

子どもたちは私の先生だ。

 

 

教育の形って、色々あると思う。

子どもとの関わり方も、色々ある。

その中で私が選ぶことができた「教師」という形。

これから3週間、どんなことを教えてもらえるのか

どんな気づきがあるのか、楽しみだ。

 

 

子どもの足音とは違う、きっと先生が来た。

ガラガラとドアが開く。見上げるとやっぱり先生。

 

「髙橋先生には、ひき算のひっ算を全時間授業してもらおうかな。」

 

さっきまでの楽しみは何処へやら。

不安と寝不足、これこれ、これが実習だ。

 

 

writer あいり

バスの車窓から、大好きな二人へ

 

大阪発高知行きのバスに揺られている。

 


 

「交換日記しない?」

と切り出したのは私だ。

 



私たち3人は同い年で、21歳の大学4年生。

私は大学を2年間休学しているんだけれど、二人はストレートで進級し4年生だ。

 

 

 

初夏。

大阪は、高知とはまた違う暑さで、コンクリートからムンとした暑さを感じた。

 


大阪駅周辺、12時。

バスに乗るまで時間があったので、少し散策。

デートするカップル、観光する外国人、テラスでランチ中のサラリーマン。

大きなビルに囲まれた街。

 


ビルの前には、ベンチに腰掛ける一人の女性がいた。

前髪をみっちり止め丁寧に髪を束ねたスーツ姿の彼女は、

小さなノートを手に、座っていた。

ノートを見ては顔をあげ、何かをブツブツと、小さな、小さな声で唱えている模様。

 

 




 

世は就職活動だ。

 




 

 

私以外の二人は、今年で大学を卒業する予定だ。(あくまで、予定。)


 

二人に出会ったのは、四ヶ月前、学生向けの合宿でのことだった。

なんだかとても意気投合した。

 


二人は、自己主張が激しいわけではないのだが、たまに口を開き”わたし”を話す。強い意志を感じる。


私はそんな二人に惹かれた。


自分に向き合い、自分の人生を自分で生きようとする姿に、惹かれたのだと思う。

 



 

大学を休学している私は、まだ就職活動をしたことがない。

 


大学の友人から聞いた話によると、「人によると、エントリーシート100100枚書いたりする」らしい。


一年前、先輩は「もう、会社に合わせてマスクをかけてる学生ばかりだよ」と言っていた。

 

 

 

 



マスクをかけたわたしは、本当の”わたし”か。

 

 

 



 

二人は、「就活だからってスーツを着たくない」と言っていた。

 

二人は、”わたしがわたしであること”を止めない。

 


そんな二人を、今この瞬間を、わたしがわたしを生きようとしていることを。

残したいと思った。残さないとと思った。

 



「交換日記しない?」

「書きたい!」
「やりたい!ふふふ」

「投稿したよ!」
「超いい」
「すてき」

「いってらっしゃい」

 



なんて心がほっこりするんだろう。交換日記を思いついた5日前の私を褒めよう。

 

 




 

私を運ぶバスは高知県へ入った。


車窓から見える、梅雨はどこへ行ったのかとも言えるような空は、私の心にハッピーを注ぐ。

 

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高知に入ったバスの車窓から




帰高後は、打ち合わせが一件。その後大学の先生との面談が一件。

 


二人は、どんな今日を生きているのだろう。

 


わたしは、高知でわたしを生きることを続けようと思う。

そう思わせてくれる仲間がいる。


 

愛梨、馬場ちゃん、いつもありがとう。これからもよろしくね。

 

 

writer みう

きいろとわたし

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「買い物いくけど一緒に来ない?」

 

肌がきゅっとするような 涼しい初夏の夕暮れ時。

ちょっと沈んだ気持ちを吹き飛ばしたくて、

誘われるままに街に出た。

 

 

煌めくライト、輝くマネキン、

そして、身に纏う鮮やかな 旬の先取り。

 

ふらふら歩きながら、気になったお店を覗いてみる。

 

レモンみたいなTシャツ、

カスタードみたいなリネンのブラウス、

朝焼けみたいなロングスカート、

バナナみたいなトートバッグ。

 

あれ、また黄色ばかり目にとまる。

頭の中に思い浮かべたクローゼットの夏服も、これまた黄色のものばかり。

 

 

「好きな色はなんですか?」

 

そう聞かれたら、迷わず黄色と答えるくらい

わたしは黄色が大好きだ。

 

主役にもなれる鮮やかさがあって、

ほかの色を引き立てる脇役にもなって、

そしてなによりも、やわらかい あたたかさがある。

 

 

黄色はわたしの憧れる世界だ。

 

レモンみたいに弾けるように、

カスタードみたいに甘く優しく、

朝焼けみたいに誰かを震わせ、

バナナみたいに周りに笑顔を生みだす。

 

 

「そんなひとに、なれたらいいな」

 

いつからか抱いていた ちっぽけな野望を思いだしたら、心なしか足取りが軽くなった。

閉店間際の街並みのショーウィンドウは、最後まで煌々と眩しかった。

 

 

数日後、わたしにとって「頑張る」時が来る。

不安も 揺らぎも 緊張もあるけれど、吹き飛ばすくらい “黄色く” ありたい。

 

そうだ、その日はあの服を着よう。

好きな服を纏って、好きなものを好きだって言えるわたしを 表現していこう。

 

きっと、届くはずだよね。

 

それでは、元気に、いってきます。

 

 

 

writer ばば

道をつくる

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私の父は、道をつくる仕事をしている。

 


“道をつくる”

いろんな風に捉えられる。

 


例えば、塾の先生は

生徒の進学という道をつくる仕事だと言えるし

まちづくりをしている人は

地域の歩む道をつくる仕事だと言える。

 


スーパーの店員さんや、バスの運転手さんは

道をつくる仕事とは、ちょっと違うかも。

道を歩む人を支える仕事、なのかな。

 


じゃあ、私が今勉強している保育士さんは?

道をつくる仕事だ。子どもの視点から見ると。

道を歩む人を支える仕事だ。保護者の視点から見ると。

 


あれ、塾の先生も、まちづくりも

道を歩む人を支える仕事って言えるんじゃ?

あれ、他の仕事も。

一概に”つくる”か”支える”で分けることはできないぞ。

 


ふう、頭の中がごちゃごちゃしてきたところで

一旦筆を置こう。

書いてみたら気づくことって多い。

しっくりが見つかることもあるし

考えが広がることもある。

 


ちなみに

私の父は、本当に道をつくっている。

結構かっこいい仕事だと思っていることは、

まだ秘密。

 


writer あいり