交換日記。

とおくに住んでる4人が、交換日記を始めました。心はきっと、隣にいる。⋮ かごしま ⇄ こうち ⇄ しが ⇆ みやざき ⋮

文月の夜に

 

お元気ですか。

私は今、全然頑張れない毎日を過ごしています。

きっと、気づかなかったけど、長い間頑張りすぎたんだと思います。

 

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私なんかより頑張っている人は沢山いて

今この瞬間も頑張っていて

それを見ると焦ってしまう。

なんで私は頑張れないんだろう、と。

 


また今日も頑張らなかった、そう思いながら夜に溶け

あの頃のように頑張りたい、そう願って夜をくぐり

ふと気がつくとまた、瞳からじわりじわりと夜に溶け始めている。

 


少し前までの私は、頑張ってるなんて意識さえもなく、がむしゃらに毎日を走り抜けていた。

 


楽しかった。

キラキラしていた。

なんでも出来るような気がしていた。

世界中の誰よりも、清々しく青かった。

 


それが今はどうだろう。

脱ぎ捨てた靴は薄汚れ

お気に入りのワンピースは長い間ハンガーにかかったまま。


どうしたら良いのか分からない。

でも、そんなのいつだって分からなかったはず。

 


今はただこう願う。

平成最後の文月の夜にさよならを。

真っ白なひと月にさよならを。

 

 

writer あいり

空を越えて、

 

ザワザワ、ザワザワ。

ロビーに「音」がこだまする。

 

聞きなれない言葉、なんの会話をしてるのかな。

大きなキャリーケース、何が入っているんだろう。

行き交う、いろんな目の色、髪の色、肌の色。

 

 

わたしは、今日、関西国際空港に行って来た。

 

弟が、1ヶ月海外に行くためだ。

中東情勢を研究している彼は、ヨルダンとトルコに行くらしい。

 

 

 

少し、彼のことを話そうか。

 

彼の名前は「響」。

音楽が好きな父と母がつけた、わたしたちの名前は、奏と響で、音楽に由来する。

 

 

2つ下の弟は、高校時代に英語ディベートに出会った。

英語で意見を述べること、社会に目を向けること、世界がどんどん広がること。

 

彼は、世界に恋をした。

 

 

「俺、アラビア語を勉強したいねん」

そう言いだしたのは、確か高校2年生のとき。

 

中東って危ないイメージがあるからだろう、

お母さんが響はいつか海外で死ぬんじゃないかって心配してた。

 

 

 

アラビア語ってミミズみたい。

中東って大変そう。

 

そんな曖昧なことしか知らないわたしは、

彼がどれほど「アラビア」の世界に恋をしていたのか、そこまで知ることはなかった。

 

 

 

 

「次の方、こちらのカウンターにどうぞ。」

 

ヨルダンの方に向かう空港カウンターに二人で並び、

大きなスーツケースを2つ預ける。

 

赤いリップの似合う女性が返却したパスポートには、

彼の恋する場所に行ける、魔法のチケットが挟んであった。

 

 

 

目をキラッキラさせながら、手に取る彼。

興奮と感動と、少しの緊張。

そして、まっすぐに前を見つめる目。

 

 

ずっとずっと学びたいことがあって、

心から行きたい場所があって、

そのために、努力を惜しまず勉強して、

自分の力で勝ち取る。

 

 

彼の、まっすぐで、強い、熱い想いがそこにはあった。

 

 

なんて、たくましくて、凛々しくて、勇ましくて、魅力的なんだろう。

 

 

弟に、響に、はじめて、ここまで強い「憧れ」と「敬意」を持った。

そして、めっちゃ応援したいと思った。

 

 

 

 

「いってらっしゃい、気をつけてな。」

「そっちこそ、気をつけーや。いってきます」

 

もう一生会えないとか、そんなことじゃないし、1ヶ月後には、また会えるけど。

 

でも、これが最後であってもいいように、

あの時、ああしてればって思わなくてもいいように。

 

わたしは、笑顔で手を振った。

 

 

 

お互い、好きな場所で、思いっきり弾けようぜ。

自分らしく、行きていこうな。

 

 

 

わたしと、彼との、二人の約束。

 

きっと、いや、絶対、守りきる。

だって、わたしたちは、自分の人生を奏で、自分の人生を響かせるために、生まれてきたのだから。

 

 

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午前11時頃、バス停にて。

 

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目覚まし時計が騒ぎ出す1時間前に目が醒める。

 


朝ごはんのおともはミルメーク

 


身に纏うのは下ろしたてのからし色。

 


指先に淡いもも色をのせて

 


頬にもお揃いの果実を。

 


足元にはおなじみのスニーカー。

 


扉を開けると

 


クーラーと夏が胸の中で混ざり

 


それはすぐに夏で染まる。

 


バスが来るまでの6分間

 


耳元には、ハートのイヤリングと

 


大好きな女の子の澄んだ声。

 


鼻先に風を感じ、目をやると

 


遠くに見えるバス。

 


冷たい空気と私を運んで

 


行く先を私はまだ知らない。

 

 

writer あいり

死ぬまでにやりたい100のこと。

 

なんにもやる気になれないような、暑くてどんよりした夏の午後。

 

ぐうたらするのも嫌だけど、何したいなんてパッと出てこなくて。

時折入ってくる風の声をずっと聞きつづけていた。

 

 

「死ぬまでにやりたい100のこと、書き出してみない?」

 

 

ふと、本当にふと。頭の中に出てきたのは、いつしかSNSでみたあれ。

 

おもむろに紙を出してきて、ペンでひとつひとつ書いてみることにした。

 

 

 

サラサラ、サラサラ。ペンが走る。

えーっと何があったっけ、そらをみて思い返してみる。

 

あっあんなことやりたいって思ってた。

思い出すたび、頰が緩む。

 

 

 

あっという間に、100のやりたいことが紙に溢れる。

 

 

わたしが、死ぬまでにやりたい100のこと。

 

 

 

 

書き終えたら、真っ先にある人に見せに行った。

 

「すぐに実現しそうなもん、いっぱいあるやん」

 

実現したら、また新しいことを書いていったらいい。

どんどん実現して、どんどん書いて、を繰り返す。

 

そしたら、好きなことをやって生きていけるから。

 

 

 

わたしが死ぬとき、何個やりたいことを実現できてるだろう。

わたしが死ぬまでに、この100個はどれくらい入れ替わっているだろう。

 

なんだか、楽しくなってきた。

 

 

さあ、とりあえず、動いてみますか。

やりたいこと100個かいた紙をくるっと丸めて、手に持って。

 

わたしは、外に飛び出した。

 

 

 

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 ●馬場奏の死ぬまでにやりたい100のこと

(今日の時点で、もうすでに実現したものもあったり、なかったり。さてさて、どれでしょう。笑)

docs.google.com

 

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ずっと君に会いたかった。

随分遠回りをした。

 


君がいそうな場所に行って

君を知っていそうな人を尋ねて

私と同じように、君に会いたがっている人と

一緒に探してみたりもした。

 

 

どこに行っても

どんなに呼んでも

何をしても

会えなかった。

 


それは思っていたよりも

悲しかった。

寂しかった。

苦しかった。

 


でもね、ほら

君はちゃんと私の前に現れた。

 


ここにいたんだね。

まさかこんなところにいたなんて

びっくりしちゃった。

 

 

久しぶりだね、なんて

何事もなかったかのような顔で現れた
”夢”という名の君は

もう絶対ここじゃないでしょ、と思っていたところにいた。

 

 

手を繋ぐと、私の心は確かに温かくなった。

うん、君となら きっと大丈夫。

これからよろしくね。

 

 

writer あいり

6月、第3日曜日。

 

「今日の昼メシ、俺が作ってもいい??」

スーパーの袋を片手に、お父さんが戻って来たのは確か12時すぎだっけ。

 

レタスがたっぷり乗ったサラダうどんを机に並べて、みんなでいただきますと手を合わせる。

 

しゃきしゃき、つるつる、音だけが聞こえる食卓。

美味しいものを食べてるとき、静かになるとかいうけれどまさにそんな感じ。

 

具だくさんだけど、どこかちょっと大雑把なところも見えるサラダうどんは、まさに「お父さんの料理」って言葉が当てはまる。

この人こんなことする人なんだ、にやける口元をすすりながら、うどんを口に入れた。*1

 

 

 

お父さんは、太陽みたいな人だ。

めちゃくちゃ楽しそうに笑って、めちゃくちゃテンションが高い。

 

みずみずしいオレンジとか、燦々と輝くお日様みたいな、眩しいまでに鮮やかに明るい色が似合う。

ああ、キラキラしているなあと、初めて会った時に感じた。

 

 

どんなきっかけからだったかわからない。

気づいたら、お父さんの会社でインターンをして、お父さんに週の何日かは会う生活が始まった。

 

 

お父さんと同じ時間を過ごす中で、気づいたことがある。

 

お父さん、結構ふつうの人間だ。

 

 

予定してた時刻の30分は前後の余裕をもってないとずれ込むし、

ケータイどこやったっけとかすぐに言う。

レスが遅い時もあるし、お酒飲んだらすぐに寝る。

 

マリカーでめちゃくちゃ盛り上がるし、写真撮ったら変顔する。

嬉しかったことを言うと自分ごとのように喜んでくれて、

誰かの作ったご飯は絶対食べた瞬間「うま!!!」って言う。

 

 

 

わたしは、キラキラしている人になりたかった。

キラキラしている人に憧れてた。

 

だから、一番キラキラしてると思うお父さんのもとでインターンをするって決めた。

 

でも、お父さんは泥臭く生きてる不器用な人だった。

でも、なんだか嫌いになれない愛らしさをもっていて、素直に全力で人と向き合う人だった。

 

 

わたしは、お父さんの近くにいる中で、キラキラしてなくてもいいんだと言うことに気づいた。

泥臭くて、いいことに気づいた。

全力でやるといろんな人が集まってくることにも気づいた。

 

愛とか感謝とかを伝えることの大切さとか、幸せのサイズ感とか、いろんな色をかけあわせるとか、本当にたくさんの「表現」に出会えた。

 

 

お父さんは、めちゃくちゃ心配性だ。

そんでもって、ちょっと、めんどくさいところがある。

 

 

ツイッターの投稿にいいねを押していいかわからないって悩むし、

しんどいって言ったら俺のLINEめんどくさかった?!とか言うし、

好きなところ39個かいたお手紙渡したらマジ照れるし。

 

どこの女子なんだよ!!ってつっこみたくなるくらい「お父さん感」が溢れ出てくる。

ちょっと反抗したら凹むところまでひっくるめて、本当に「お父さん」だ。

 

 

 

今日は、父の日だ。

サラダうどんを食べてる時に話題にならなかったらきっと忘れていたと思う。*2

 

 

いつもいつも、重たいくらい愛を投げてくるお父さんに、今日はちょっとラブレターを送ってやろうと思う。

 そう思って、ずーっと書いてたのに。

昨日なんかお父さんが悲しそうにしてたから、思わず長文でLINE送っちゃったよ。

 

ねー今日に色々言いたかったのに!!ちょっと待ってくれてもよかったやん!!

 

 

 

 

そうだなあ、せっかくだし、今日、書いてた文章の中でひとつだけ伝えようかな。

 

 

お父さんはめちゃくちゃわたしのことを心配してくるけど、

同じくらい、わたしも心配してるところがあります。

 

 

わたしは空元気で頑張っちゃうタイプだし、

ちょっと無理してだだーっと進んじゃうタイプだし、

しんどいをなかなか言えなかったりもする。

 

 

最近、ちょっと近しいニオイを感じます。

 

全力である必要はあるかもしれないけど、ずーっとそれだと、しんどいよ。

たまには、ゆっくり自分の心や体に耳を傾けてほしい。

 

 

ほどほどに、ってよく言うけれど、やってるつもりかもしれないけど、

わたしから見たら「ゴリゴリ過激派」くらいにまだまだ頑張りすぎてるところもある。

 

 

ほどほどに、

本当にほどほどに、全力で楽しんで、ワクワクのプロフェッショナルでいてください。

 

 

嬉しいを共有したくなるのも、

楽しいを言いたくなるものも、

心配しすぎるところも、

相手を大事にしたくてしたくてたまらないところも。

 

もっとギブ&ギブでいこうね。

 

 

 

北川雄士さん。

 

あったかくて、優しくて、柔らかくて、明るくて、ちょっと不器用な、わたしにとって「お父さん」みたいな人。

 

 

一緒に過ごしてもう1年ちょっとが経つっけ。

ここまで来てやっぱり、わたしの中で揺るぎないものがあるなあと思います。

 

滋賀で一番こんな人になりたいなって思わせてくれる人。

 

わたしもこんなことを大事にしてたいなって共感できる人。

 

 

そして、なんか一緒にいると、おもろい未来が見えそうな人。

 

なんの確証もないけど、わたしのカンが言ってるから、多分間違いない。

わたしは自分の心の声を一番信じてるからね。

 

 

 

なーんか長くなっちゃった。笑

まあ、それくらい愛が溢れてるとでも言っておこう。

 

 

今日は父の日。

お父さんみたいなお父さんに、感謝と愛を伝える日。

 

いつもありがとう、そして、これからも。

 

 

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*1:ちなみにわたしは麺をすすれない

*2:6月17日は二宮くんのお誕生日

15分

 

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針が一歩進む。

子どもたちのそわそわがひとつ増える。

そわそわそわ。

チャイムがなって手に取るのは

教科書とノートではなく、帽子とボール。

準備をしてから行きなさい!

そんなものくぐり抜けて向かう先には、砂だらけの靴と

まだ梅雨だというのにやってきた、あわてんぼうのあっつい太陽。

 


弾け出たのは、身体だけじゃない。

彼らはいったい、この15分という特別な2時間目休みに

どれだけの魂を込めているのだろうか。

そんなことを考えながら、私は校庭を覗く。

 


15分

 


彼らにとっては長い。

外に出てドッヂボールをして帰ってきて手を洗って次の時間の準備をして席に着けるくらいには長い。

(良い子は外に出る前に次の時間の準備をしましょう)

 


あなたに15分をプレゼントします。

この日記を読み終えてからがスタートです。

さて、何をしますか?

 


よーい、

 

 

writer あいり